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岩村 公道; 渡辺 博典; 新谷 文将; 大久保 努; 村尾 良夫
JAERI-M 92-050, 46 Pages, 1992/03
高転換軽水炉の運転時及び非定常時の熱水力特性を調べるため、流量及び加熱電力の非定常制御機構を有する高圧小型水ループを製作した。本装置を用いて、扁平二重炉心型高転換軽水炉の、一次冷却材ポンプ軸固着事故と制御棒クラスタ飛び出し事故の模擬試験を実施した。繰り返し試験の結果、流量及び燃料棒表面熱流束の過渡変化を、最適予測コードREFLA/TRACの事故解析結果とよく一致させることができた。本試験ではDNBは発生せず、安全解析結果と一致した。次に、事故模擬試験と同じ出力トランジェント形状のまま、DNBが発生するまで初期出力を上昇させて試験を行なった結果、本炉は十分大きな熱的安全余裕を有することを確認した。非定常時のDNB発生は、サブチャンネル解析コードCOBRA-IV-1により計算された局所流動条件をKfK及びEPRI-ColumbiaのCHF相関式に適用することにより、10%以内の精度で予測することができた。
藤城 俊夫; 更田 豊志; 山崎 利
Proc. of the Int. Conf. on Multiphase Flows 91-TSUKUBA,Vol. 2, p.247 - 250, 1991/00
中性子並びに線に曝されている原子炉内でのボイド率の計測は、線ボイド計や光学的計測機器が使用できないため、非常に困難である。このため、このような環境でも使用可能な振動板式密度計を新たに開発し、過渡的に発生する気泡の測定手法を確立した。はじめに炉外実験において性能の検証及び較正を行い、次にこれを原子炉安全性研究炉(NSRR)においてパルス照射された試験燃料棒から発生する水素量測定に応用した。本報では、振動板式ボイド計の原理・機構について説明するとともに、炉外較正試験結果並びに原子炉炉内実験結果を紹介し、計測手法の適用性などについて議論した。
岩村 公道; 大久保 努; 末村 高幸*; 平賀 富士夫; 村尾 良夫
JAERI-M 90-044, 158 Pages, 1990/03
高転換軽水炉の熱水力学的成立性研究の一環として、4本または7本ロッドからなる三角配列稠密格子バンドルでの定常及び流量低下非定常時の限界熱流束(CHF)実験を実施した。テスト部形状は、ロッド外径9.5mm、P/D:1.21.126、発熱長さ:0.5~1.0mである。定常実験条件の範囲は、圧力:1.03.9MPa、質量速度:460~4270kg/s・m、出口クオリティ:0.020.35である。サブチャンネル解析コードCOBRA-IV-1により求めた局所流動条件をCHF相関式の評価に用いた結果、定常CHFデータに関してはKfK相関式が20%以内で一致した。一方、WSC-2、EPRI-B&W、EPRI-Columbia及びKattoの相関式については、データとの一致は良好ではなかった。流量低下時には、流速減少率が6%/s以下では、過渡時と定常時のDNB発生条件に差は認められなかったが、流速減少率がさらに大きくなると、定常実験から予測されるDNB発生条件に達するよりも速くDNBに至る傾向が認められた。
岩村 公道
Journal of Nuclear Science and Technology, 24(10), p.811 - 820, 1987/10
被引用回数:4 パーセンタイル:44.89(Nuclear Science & Technology)急激な流量低下時における過渡バーンアウト特性を、3領域熱水力コードCOBRA/TRACと、2速度モデルを用いて解析し、一様加熱円管における実験結果と比較した。その結果、流量低下時のバーンアウト発生は、液膜の消失に起因し、局所条件モデルにより予測できることが明らかとなった。流速減少率が増大するほど流路入口でのバーンアウト質量流量が減少するのは、沸騰境界の移動に時間がかかるため、入口流量が定常バーンアウト流量に達してからも蒸気流量は増加を続け、その結果生じる界面せん断力により、液膜流量が入口流量の減少に追随して減少するのを妨げられることによる。流量低下バーンアウト特性に及ぼす系圧力の効果も、このメカニズムにより説明できた。また、流量低下バーンアウトに至る時間を予測する方法を提案し、実験結果と比較した。
岩村 公道
JAERI-M 86-135, 89 Pages, 1986/09
軽水炉の流量低下事故時における燃料棒のバ-ンアウト現象の特性を調べるため、実験及び解析的研究を実施した。実験は、加熱長さ800mmの一様加熱垂直円管および環状流炉テスト部を用い、実験範囲は、系圧力0.1~3.9MPa、流速減少率0.44~770%/sである。局所流動条件は、分離流モデル及びCOBRA/TRACコ-ドにより計算した。本研究の結果 以下の知見が得られた。流速減少率が増大するほど、バ-ンアウト時の入口質量流量が減少し、系圧力が高いほど過渡効果は小さくなった。これは沸騰境界の移動が入口流量の急激な減少に追随できない為、入口流量が定常バ-ンアウト流量に達してからも蒸気流量は増加を続け、加熱面上の液膜流を保持する事による。また、本実験のみならず他の研究者による実験についても、局所条件バ-ンアウトモデルにより予測したバ-ンアウトに至る時間は、実験結果と良い一致を示した。
秋元 正幸; 平野 雅司; 渡辺 正; 鴻坂 厚夫; 加茂 英樹*; 井上 英明*; 大崎 浩*
Proc.2nd Int.Topical Meeting on Nuclear Power Plant Thermal Hydraulics and Operations, p.1 - 72, 1986/00
過渡二層流のモデルで最も重要な各種構成式を評価する計算コードMINCSの開発を行った。評価すべき構成式とそれに含まれる実験相関式は使用者によって入力データとして与えられる。構成式の評価では、関連する類似のモデルとの比較が重要であるので、本コードには2V2Tモデル等9種類のモデルが内蔵されている。各モデルに対応する保存式の数値解法に次のような特徴がある。2V2Tモデルから簡便なモデルへの移行は、2V2Tの差分式を基に行い、時間積分には完全陰解法を採用していることである。これらの方法によって、数値拡散等の数値誤差がモデルに依存しなくなり、安定な数値解が得られるので、構成式の精度評価が系統的にできる。
岩村 公道; 黒柳 利之
JAERI 1290, 42 Pages, 1984/03
軽水炉の出力ー冷却不整合(PCM)時の燃料棒の熱的挙動を調べる研究の一環として、一様電気加熱テスト部を用いた流量低下バーンアウト実験を実施した。本研究により以下の知見が得られた。(1)流速減少率が増大してあるしきい値を越えると、バーンアウト発生時入口質量速度は定常時よりも減少し、系圧力が高くなると過度効果は小さくなった。(2)系圧力が2MPa以上の場合、流速減少率が20%/sec以下だは局所バーンアウト質量速度は定常値に一致した。(3)流速減少率が増大すると、局所バーンアウト質量速度は高圧では定常値よりも大きくなり、1MPa以下の低圧」では逆に小さくなった。(4)局所バーンアウト質量速度と定常値との比を蒸気と水の密度比および流速減少率の関数として表示する導出した。本式はCumoの実験結果をかなり良く予測した。
岩村 公道; 黒柳 利之
Journal of Nuclear Science and Technology, 19(6), p.438 - 448, 1982/00
被引用回数:9 パーセンタイル:68.89(Nuclear Science & Technology)一様加熱の垂直上向管内流路による流量低下バーンアウト実験を行なった。テスト部は加熱長さ800mm、内径10mmで、主要な実験範囲は、圧力0.5~3.9MPa、熱流束2.16~3.8610w/m、それに流速減少率0.6~35%/secである。また、流量低下バーンアウト発生時の局所質量速度を求めるための計算を行なった。流速減少率がある値以上となると、テスト部の入口および出口のバーンアウト質量速度は定常時と異なる挙動を示し、この傾向は主として系圧力に依存することがわかった。過渡時と定常時のテスト部出口におけるバーンアウト質量速度の比を蒸気-水の密度比および流速減少率の関数として表現する関係式を導出し、他の実験結果と比較し、ある程度の一致をみた。
田坂 完二; 田中 貢; 伊藤 秀雄; 片多 勝男*; 渡辺 憲次*; C.P.Fineman*; D.R.Bosley*; 斯波 正誼
JAERI-M 9849, 67 Pages, 1981/12
TMI-2号炉事故を契機として軽水炉の安全性研究計画が見宿され、小口径配管破断冷却材喪失事故(SBLOCA)および異常過渡事象に関する研究の重要性が指摘された。これを受けて、日本原子力研究所ではROSA-IV計画を開始し、現在分離効果実験用のTRTF(Two-Phase Test Facility)の建設ならびにシステム効果実験用LSTF(Large Scale Test Facility)の設計を行っている。本報告書はLSTFの設計方針とその主要仕様を紹介したものである。
岩村 公道; 黒柳 利之
JAERI-M 9012, 75 Pages, 1980/08
流量低下バーンアウト実験を解析するため、分離流モデルにより沸騰二相流過度挙動の計算を行なって、以下の諸点が明らかとなった。1)流速減少率が2%/sec以下では、出口バーンアウト質量速度計算値Gおよび入口バーンアウト質量速度Gは、定常値Gにほぼ一致した。2)流速減少率が大きくなるほど、GとGの差は拡大する。3)圧力が2~3.9MPaの場合、流速減少率が2~20%/secの範囲では、G/Gが約1.0~0.9とやや低下しているにもかかわらず、G/Gはほぼ1となる。また、流速減少率が20%/sec以上ではG/Gは1よりやや大きくなる傾向にある。4)約1MPa以下の圧力では、流速減少率が2%/sec以上になるとG/Gは1より小さくなる。
黒柳 利之; 岩村 公道
JAERI-M 8047, 106 Pages, 1979/01
軽水炉のPCM時の過渡沸騰現象の概要を知るため、常圧大気開放ループを用いて流量低下過渡バーンアウト実験を実施した。テスト部は直流直接通電ステンレス鋼管の外側にガラス管シュラウドを設置し、ギャップを2.0mmまたは1.4mmとした環状流路で、加熱部の外径は10mm、長さは800mmである。実験範囲は以下の通り。熱流束:0.65~1.36欠ける10kcal/hm、入口温度:30C、76C、初期質量速度:2.4~6.010kg/hm、流量減少過渡時間:0.1~68sec、流速減少率:0.29~752cm/sec/sec。実験の結果、流速減少率が約5cm/sec/sec(1.4mmギャップ)または約1cm/sec/sec(2.0mmギャップ)以上になると、バーンアウト時入口質量速度は定常の場合よりも低くなった。また、流速減少率が約20~40cm/sec/sec以上では、バーンアウト発生の時間遅れは約0.4秒でほぼ一定となった。
黒柳 利之; 岩村 公道
JAERI-M 7489, 84 Pages, 1978/01
軽水炉PCM時の過渡沸騰に伴う諸現象の概要を知るため、常圧大気開放ループを用いて、流量低下過渡バーンアウト実験を行なった。テスト部は内径8mm、長さ800mmのステンレス管で、直流直接通電により加熱した。実験範囲は、熱流束:0.87~1.6610kcal/hm、入口温度:30~80C、初期質量速度:1.8~3.810kg/hm、流量減少過度時間:0.07~70sec、流速減少率:0.24~1100cm/sec/secである。実験結果より、流速減少率がある程度以上大きくなると、流路圧力や壁温の挙動に、流量低下過渡バーンアウト特有の諸現象が見られること、同一熱流束におけるバーンアウト発生時入口質量速度はかなり減少することなどがわかった。